移行準備 第2段階
概ね僕は、いつもWeb日記の本編ともいうべき下書き用テキストがあり、アップした後は、そのテキストがそのまま日記の記録ファイルとなっても残るわけだが、ブログというのはその点、掲示板か何かに投稿するようなスタイルでアップできるわけだから、ある意味で手軽と言えば手軽。ある意味では何か物足りない。便所に入ってウォシュレットで尻を洗ったはいいが、そのまま尻を拭かずに出てきた時の肛門周囲のうらさびしさ、のような感覚である。
でも何となく、ブログが巷に流行り始めたわけがわからないでもない。要するに誰でも人前で(しかも原理上は世界に向けて)自分の書いた物を発信できるって、人によってはえらい快感に違いないからだ。別に文章のプロでもない人たちが書いたものだからって、つまらないとは限らない。いや、いわゆる玄人はだしの文を書く人だっているだろう。これって要するにカラオケに似ている。
昔は自分でオケつきの歌を歌いたきゃ、それなりにギターを自分で練習したり、ピアノを弾いたりしないと、なかなか満足のいく快感が得られなかった。でも、カラオケが登場してからは、もうマイク一本でスーパー・スターも夢じゃない、てゆーか、あくまで自分の夢の中での話だけど、難しい楽器の練習も何も必要なく、ぽんと歌だけ歌って気分よく盛り上がれる。ほんの数年前までは、自分のWebを作りたいと思った人間は、HTML言語たらCSSたらXMLたら、一通り最低限の、これもれっきとしたコンピュータープログラム言語の知識を仕入れておく必要があった。いまはブログを利用すれば、難しいことはさておき、誰でもブログデビューできる。要するに、文章のカラオケ状態となっているのだ。
別にそれが悪いと言ってるわけじゃない。ただ、所詮素人の書いているものだから、僕自身も含めてこういう場には、一応、世間というものを考えての発言とか、お約束とか、そういうものをはなから無視して、てゆーか、まったく知らずに書いている人も多々見かける。それはそれで面白いとも言えるが、ただし、面白がるためには所詮、これらは皆素人のカラオケである、という認識がこちらにも必要だろう。ブログを書いて、僕のように独り言などと言ってる人間は、せめてここが公道の上であることくらいは、心の隅に置いておかねばならない。
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