2006年12月15日(金)
今日は来週の上京に備え、友人の散髪屋で散髪してもらってくる。髪を刈ってもらってる間、店内のテレビがちょうどワイドショーか何かやってたらしくて、アニータさんが来日したとか、夫に会いに行ったなんて話題を延々やっている。いったいそんな話題、誰が聞きたがってるんだ???
そんなカスネタはともかく、去年の日記公開。これやってる間は、当分ネタには困らない。
■2006/12/15(金)23:12:33
映画館に出かけるのはかなり久しぶりになるが、上映が今日限りになってしまうので、とにかく終わる前にと『父親たちの星条旗』を観にマイカルまで出かける。
率直な感想を言わせてもらえば、少々退屈。ただしあらかじめこれは覚悟していたこと。これは戦争アクション映画ではなく、硫黄島の攻防場面も確かにCGを駆使してかなりの迫力ある画面が作られてはいるが、印象としてそういう戦闘場面は全体の半分もなく、物語はどちらかと言えば、あの有名な硫黄島に星条旗を立てる兵士たちの写真が撮られた裏話と、それによって英雄となった兵士たちの後日談がメインのストーリーになっている。
それはそれで骨太な話をイーストウッド監督は描いているとは思うが、一応、事実に基づいて映画化している以上、それほどドラマチックな出来事が起きるわけでもなく、ああ、そりゃこういう状態に置かれたら、こういう風になってしまう人もいるかもと思うだけで、僕にとっては戦闘再現場面にやたら迫力のある『その時、歴史は動いた』とか、『にんげんドキュメント』を見ているような感じになってしまった。
娯楽活劇監督としてのひと頃のイーストウッドは、ほとんど外れのないツボを押さえた作品を見せてくれたから、今回ももしかしたらと期待する部分もあったのだが、同時に、彼がアカデミー賞常連監督になってからは、どちらかというと通受けする大作を撮る人になってきたので、あまり期待もし過ぎまい、という防御反応も働くようにはなっていたのである。ある意味、黒沢明や宮崎駿の、壮年から晩年への作風の変化と似たような経緯をたどっているのかも。
先日BSで放映していた『ファイアーフォックス』は、まさにそんな娯楽職人イーストウッドの脂の乗った時期の作品。とはいえ、この作品、興行的にはあまり成功しなかったらしい。勘違いかもしれないけど。僕は大好きだった。確か5~6回は同じ劇場に足を運んで繰り返し見た。
ストーリーは単純明快。かつてベトナム戦争で空戦の英雄だった腕利きパイロットが、戦闘中にベトナム人の少女を焼き殺す爆撃をしてしまい、そのトラウマから逃れられずに帰国後、山中で隠棲する生活をしている。その彼の元に軍から呼び出しがかかり、ソ連が開発中の新型ミグ戦闘機を奪取する秘密作戦への参加を要請される。この戦闘機が実戦配備されれば、東西の軍事バランスが崩れるほどの超兵器だったからだ。
かくしてイーストウッド扮する主人公、ミッチェル・ガント少佐は単身、ソ連に潜入、あらかじめ西側がつなぎをつけていた草忍ともいえる人々のネットワークによって、新型ミグの研究所へ迫っていく。この過程もけっこうスリルとサスペンスだが、研究所に忍び込み、見事ミグを奪った後、今度はソ連の空軍参謀との頭脳戦、さらにはもう一機だけ残されていた新型ミグが彼に追いつき、クライマックスは同等の戦闘能力を持ったミグ対ミグの一騎打ちになるという、もう娯楽活劇要素てんこ盛りの内容と、冒険小説お約束の浪花節も満載。初めて見た時は、面白さのあまり、泣けてしまったほどである。
で、久々にその時の興奮よもう一度と思って、録画しておいたこの作品を見たら……、あれ? こんなテンポぬるかったっけ? てな感じになってるのである。
もちろん話の内容自体はそれほど陳腐化していない(冒険小説のお約束通りの展開)のだが、やはりこの30年、アクション映画の見せ方はかなり進化と変化を遂げている。特に近年のハリウッドアクションは、内容の不自然さに客が気づく暇を与えないようにする作戦からか、息もつかせずの展開をぶち込むという演出がほとんどだから、こちらもすっかり、目と頭がそういう手法に慣れてしまったらしい。『スター・ウォーズ』旧3部作なんかでも感じたことだが、CG技術なんかが進歩しちゃった以上は、いっそリメイクという手もありかと思う。特に『ファイヤーフォックス』なんか、いまの技術でクライマックスの空戦をリメイクしたら、相当迫力出せるんじゃないかな。ただし、条件がある。セリフもカットも旧作と何一つ変えず、出来れば監督自身も同じ人にやらせることだ。
『ポセイドン』なんて、身も蓋もないリメイク作品があるが、もともとリメイクされるほどの作品とは、たいてい大ヒットしたり、作品としての完成度が高いからリメイクしても商売になると踏まれるはずだ。だったら余計ないじり方などせず、まんま特殊効果画面だけ、現代の技術で置き換えて見せて欲しい。どうせリメイク作品がオリジナルを超えることなんか、そもそも論理的に極めて難しいのだ。迫力ある空戦シーンで思い出したが、いくらオリジナルだからって、『ステルス』などというハリウッド映画の一番頭の悪い連中が総結集して作ったような映画を見せられた日にはたまったもんじゃない。とりあえずWOWOWで見たから血圧は低めですんだが、あれ、劇場に行ってたら、金返せと叫びたくなったかも。以降、僕の頭の中では『ステルス』って、アメリカ版『SHINOBI』というキーワードで分類されている。
アニメなら『ガンダム』も、いまのアニメ技術でリメイク希望。やはり、シナリオもコンテも指一本触れないという条件が守られてりゃ、僕は全話買うね。つっても最近予約受付を開始した『ガンダム』DVDボックス、もう予約しましたけど(^^ゞ。でも、もちろん声優さんも変更無しでと考えると、事実上、リメイクは不可能だ。ブライトさんもセイラさんも死んじゃったし……声優って、意外と早死にするのか? ともかく、『ガンダム』全43話リメイクに僕は一票。ちなみに僕が『ガンダム』とか『ルパン』という場合、それは一番最初のシリーズ以外を意味しない。これもある種のリメイクみたいなもので、オリジナルを超える続編シリーズなど僕は一度も見たことがないからだ。
これらも結局、シリーズが続いたから、それらと区別するために最初のシリーズをファーストとか言うらしいが、強いて僕が言うならそれは「オリジナル」だ。『ルパン』など、第2シリーズ以降は、あのかっこよく、独自のダンディズムと矜持を持っていたルパンがカスのようなキャラにされてしまい、まったく見る気も起きなくなってしまった。いまでも続く、この2作品の続編シリーズは、それぞれオリジナルの存在を汚しかねない、その名で金が稼げる限りは、稼いでやろうという儲け主義の極致のようなものだと僕は見ている。ああ、『ガンダム』と『ルパン』に関しては、僕を極右と呼んでもらって結構。オリジナルの名を汚してまでシリーズ続行にこだわる製作者に天誅を加えたいくらいさっ。
リメイクの話題で思い出したけど、そういや僕が上に書いたような、まったく理想の条件でリメイクされる日本映画が最近あったことに気づいた。それは『犬神家の一族』。
なんでもリメイクすりゃいいってもんじゃないぞっ!(`へ´)
« こんなことを・・・ | トップページ | 2006年12月18日(月) »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 新番組雑感その1『DOCTORS』(2015.01.18)
- 最終回2本(2014.12.20)
- 健さん死すの報に触れて(2014.11.20)
- 今期のドラマは・・・(2014.10.27)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント