2007年１月８日（月）

ま、いまさらで申し訳ないけど、一応まだ掲載し残した日記があるので、そんなものでもちらちら間に挟みながら、とりあえずお茶を濁そうとしている。

■2007/ 1/ 8（月）12:33:12
　話は前後するけど、先週の金曜に『続戦国』を50枚ばかり送り（これでようやく100枚！　あと多分500枚は書く！）、土曜に『なみだ』の３２３話を仕上げ、土曜にあげる予定だった弁護士物を、いま書いてます(T.T)。ちなみに大学時代の友人Ｋくんから今年届いた年賀状のコメント。「あと１巻で戦国が完結しない方に１０００点！」……ほっとけ！(｀へ´)

　そんなどうしようもない状況の中、土曜の午後から吉例の桂米朝一門会を八幡まで見に行く。『なみだ』の原稿が上がったのは開演30分前だったのだが、何とか間に合った。例年、中入り前に米朝さんがきて、休憩後は南光、ざこばでトリというのがパターンなのに、今年は中入り前にいきなり南光が出てきた。

「え～、師匠がどこか行ってしまいまして」などと冗談めかして言っていたが、どこか具合でも悪くなったのだろうか。心配していたら中入り後にはちゃんと現われて一席。声自体はまだ通っていたけど、だいぶお年を召されたなという感じは否めない。昔は関西の落語家としてはダンディな感じのする人だったのに、なんだか最近は時々、ネタを忘れたんじゃないかと思うくらいに言葉に詰まり、ついこちらがはらはらしながら見守るような時間がある。ま、ここらへんはいつぞやの水木しげるじゃないけど、もう国宝を鑑賞しているのだという気分で見るしかない。

　ざこばの『子は鎹』は最近、同じネタをざこば自身が演じているのをテレビで見ていた。ただ、テレビで見ていた時はけっこう面白くて、クライマックスでは思わず泣けそうになったくらい良かったのに、生で見たこの日は、テレビほど感動はしなかった。つい先日聞いたからとかそういうことではなく、いまいち演技に精彩がなかった印象を受けたのは、もしかすると米朝さんのことで何か心配事でもあったのだろうかと邪推。

　そういえば昨日、例によってアピアの南蛮茶で原稿を書いていたら、午後２時頃から店の外にある、多目的ホールの方から何か騒がしい声が聞こえてくる。よくよく内容に耳を澄ませていると、どうも戦隊もののイベントショーをやっているようだ。だんだん気が気でなくなってきて仕事を中止し、そそくさとホールに向かう。すると案の定、親子連れで賑わう会場の前の方のステージで、ボウケンジャーショーをやっていた。こういうのをちゃんと見るのは初めてなので、何だか知らないが子どもの間に交じってわくわくしながら20分ほど見て帰る。

　ステージではイカみたいな形をした悪役が、子どもたちのいけにえを探しているという場面で、元気のいい子どもはどこだと呼びかけ、手を挙げた子どもたちの中から３人、選び出してステージの上につれだした。

　恐らく小学３～４年生くらいの女の子、小学１年くらいの男の子、さらに幼稚園くらいかなという感じの男の子の３人である。イカ野郎は３人を並べ、一人一人名前を聞くと、番号点呼をしようとした。小学１年を最初にして幼稚園、３年生女子と並べたのは、恐らく最初に１年男子に景気をつけてもらえば、これにならって幼稚園児も答え、最後は一番しっかりしてそうな女子でまとまると考えたのだろう。

「さあ、じゃあいくぞ。番号！」とイカが号令をかけて、１年坊主にマイクをつきつけると、その子はいきなり

「３５６７４……」とか意味不明の番号を言い出して、イカ野郎、ずっこける。

「おまえ、それ、電話番号じゃないか？　違う違う。わしが言ってるのは順番を答えるのじゃ。順番というのは１、２、３、４、５という風に続くやつだな、わかってるだろ？　うん、そうか。よしそれならもう一度いくぞ。番号っ！」

　うなずいてマイクを向けられた男の子はイカの言った通り、素直に繰り返した。

「１２３４５６……」

　会場、大爆笑。僕なぞは少年の絶妙なボケに、思わずうならされる。もちろん、少年は素直に答えているだけなんだろうが、これでこれだけの笑いがとれるのだから大したものだ。テレビのバラエティー番組とやらが競ってガキと動物を扱いたがるのも、わからないではない。

　ちなみにイカ将軍、その子に「番号たって一人で全部言わなくていいの。おまえは１だけ答えればいいんだから、いいな、１だぞ」とさんざん念を押してから、「番号っ！」と点呼を再開した。ようやく意味のわかったらしい１年坊主は「いちっ！」と無事に答えた。「よし、次っ！」と気分を良くしたイカは、隣の男の子に続いてマイクを向けた。男の子も、いままで隣の小学生が言い含められたことをちゃんと聞いていたのだろう。

　その子も元気よく、「いちっ！」と答えた。