男たちの熱い放課後
WOWOWで録ってあった『アフター・スクール』を観る。
ずいぶん以前に何かの雑誌の映画評で褒めていたので気になっていたのだが、予備知識はほとんどない状態で鑑賞。監督・脚本は内田けんじ。正直、僕はこの監督についてもまったく知らなかった。主演は大泉洋、堺雅人、常盤貴子ら。
感想。日本映画としては、近年まれにみる快作だった。あくまで僕目線の話ですが。何というか、最初はいったいこれはどんな話なんだとややうろんな目つきで観ているうちにいつの間にか引き込まれ、最後は一気にジェットコースター、みたいな怒濤の展開が待ち受けている。しかもこれ、見終わったあと、やたら爽やかなのだ。僕などつい、ラストの方で主人公のセリフに感動して泣きそうになってしまった。やるじゃん、大泉。
ま、細かい部分でそれってどういうことなの? と突っ込みたい部分もなきにしもあらずだが、それでも脚本自体の面白さと、それをまた楽しそうに演じる役者たちの本来の実力が遺憾なく発揮されていて、まあこれはほんとにね、劇場で観てたら大喜びしてたと思うな、僕は。
数ヶ月前に観た『キサラギ』も、舞台劇のように緻密な構成で凝った脚本が作られていたが、こういう日本映画を観ると、僕は本当に嬉しくなってくる。日本のテレビドラマは遠からず滅びるかもしれないが、いま日本の脚本の才能は映画の方に戻ってきているのかもしれない。映画なら視聴率を気にしたり、ジャニ系のタレントを使わなきゃならなかったりという制約があまりないせいだろうか。本来、面白いプロットと、それに合う役者を選んで作り上げる、ちゃんと客を舐めてないドラマが観られる機会が増えてきている。僕はもうそれでいい。半世紀前、映画はテレビに客を取られて完全に衰亡しかけたが、本当に面白いものは金を払って観るべきだ。だったらテレビと映画の関係は、正しい形に戻りつつあるのかも知れない。
ちなみに僕の映画感想記としては珍しく、内容には一切触れてないでしょ。触れたら終わりなんです、これ。つってもよくあるホラー系洋画の宣伝みたいな姑息な根性で言ってるわけでもない。本当にこれは全然予備知識なしに観た方がいいと思うからだ。というわけで興味がある人は自分で見るように。ただし見て気に入れば、必ずもう1度は観たくなる、そんな作品になっている。久々におススメの一本。
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