妻のインフル
南蛮茶で仕事して、家に戻ってきたのは午後6時前。家の中が暗い。妻はどこかへ出かけているのかと思ったら、階段の上から「おかえりいぃ」と声が聞こえてきた。
上にいるのか? と言って階段を上がりかけると「私、インフルエンザにかかったみたいぃ」と答えるのでぴたりと足が止まった。
はあ!? インフル???
思わず頓狂な声を出してしまったが、寝室で休んでいるらしい妻の声は、確かにへろっている。インフルっておまえ……何を根拠に彼女がそんなことを言ってるのか理解できなかった僕は、階段の下に立ち止まったまま訊ねた。ここらへんでインフルが流行ってるなんて話、聞いたことないけど、いったいどこで感染されたと思ってんだよ。
「ほら~、こないだ八風(はっぷ)の湯に行ったじゃない」
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