昨日借りてきた本
『こんなときどうする?――臨床のなかの問い』 徳永進
八日市図書館にある徳永先生の本はたいてい読んだと思っていたが、このタイトルは初めてだった。もしかして最近入ったのだろうか。
徳永先生の専門であるターミナル病院に送られてきた患者さんたちの実例を下にして、様々な、主に癌で亡くなる人々の最期の様子と医師側の対応が具体的に描かれる。どちらかというと一般人を対象とするより医学生や看護学生向けに書かれた本だろう。
僕はもちろんこういう本をネタの材料集めに読んでいるので、描写が具体的であればあるほど嬉しいんだけれど、なにしろ事実の持つ迫力は穏やかに最期を迎える人よりも、亡くなる前に一悶着も二悶着もあるような死の方が印象に残るもので、あまり毎日こんな本ばかり読んでいると、だんだん暗澹たる気分になってくる。
死が、もうそれほど遠くにあるものだとも思えなくなってきたという事情もあるのだろうか。だとすれば、その原因は、あながち年のせいだとばかりも言えなくなったような気がする。
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