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残念な怪獣(T.T)

昨夜、仕事を始める前に、2、3日前録画しておいた番組を見た。
 
ドラマや映画ではなくBSのNHKでやっていた『熱中時代』だったかな(タイトルはうろ覚え)、スタジオに集められた人々がなんかいろんなテーマについて語り合うという番組で、決して政治的なアレではなく、毎回極めて趣味性の高いテーマが選ばれることが特徴。今回のテーマは「最強のウルトラ怪獣を語る」みたいな内容だったので、ついね、録画しちまっていたのさ。
 
この夏、WOWOWで『ウルトラQ』一挙放送を録画して、いま暇を見てはDVDに焼き付けている僕は、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』までは熱中して見ていたから、とりあえずこのあたりの怪獣、星人まではついていけるけど、タロウやエースになるとかなり記憶も怪しくなり、ティガとかダイナとか言われるともう完璧知らない世界です。
 

ただまあ、たとえばこれはガンダムなんかにも言えることだけど、あるフォーマットに則って何十年も続いているドラマや番組の場合、僕らの世代はその最初のフォーマットそのものを見てしまってるから、基本的にはその後に出てきたものは僕らにとって続編と言うより亜流であり、中にはルパンシリーズのようにファースト以外はすべて偽物だと言いたくなるような作品まであるのだけれど、いかんせん何十年も作り続けられるフォーマットとはそれ自体並外れて優れた魅力を内包しているため、いかに僕らがオリジナルが一番面白かったと言ったところで、新しくそのシリーズのファンになる人は、その時点での新しい作品がやっぱりベストなわけだ。
 
だから僕は、嫌みなジジイよろしく、まだテレビでスペシャルとして新作が作り続けられているルパン三世を喜んで見ている視聴者に向かい、おまえさんたちはオリジンルパンを知っとるのかね、などと訊ねるつもりもないし、彼らはあのシリーズの本当の面白さを知らないなどと慨嘆するつもりはない。まあ、それをきっかけにオリジナルに近づく機会があれば、それらの亜流シリーズにも立派な役割が一つあるのではないかという気はする。
 
僕自身、映画や音楽や芝居などで似たような経験は何度もしていて、たとえば僕がある作品を見てよかったというと横で嫌みなジジイ度を全開させ、おまえはあれのオリジナルを知らんだろとご丁寧に突っ込んでくれた先輩やらおじさん編集者たちが昔はいっぱいいたものだけど、彼らには、だからいまではとても感謝している。若い頃の僕は年上の人間におまえはあれを知らんだろと言われると、とにかくムカッとして原典を知るように心がけていた時期があるからだ。
 
いまはもう、こっちが年寄りになってきたせいか、世の中のことなんでもかでも知りたがる方が無理があると思っているので、知らないことは知らなくてすませる勇気もついてきた。てか、いろんなことが面倒になってきたんだな。
 
ところでそのウルトラシリーズの最強怪獣について熱いトークを繰り広げるべきコーナーで、ま、ゴモラやレッドキングなんて言われるとこちらは即座に映像まで浮かぶのだが、ウルトラマン80とか言われると、こちらはもうとんとお手上げ。だってこの頃、僕はもう24だ。ちなみにタイトルの後ろに西暦つけてくれると、何年の作品かすぐわかっていいね。ま、Gメン75みたいに、80年代に入っても延々その名前でやってるのはどうかと思うようなものもあるが。
 
で、その80に出てきた怪獣でズラスイマーというのがいたそうだ。シリーズも回を重ねると、もう作る方も何やっていいのかわかんなくなって、相当怪しいものを堂堂と出してしまうようになるという意味では必殺シリーズにも通じるものがあるが、しかし何なんだ、この名前!? もろカツラの水泳選手というイメージ狙いの名前としか思えないではないか。
 
僕がまたウケ狙いで書いてると思われるかもしれないが、これに関しては僕は案外大まじめだ。僕の同世代以上なら覚えていると思うが、あの頃、かつての人気番組『ザ・ガードマン』のレギュラーだった倉石功だったか藤巻潤だかが出演している某有名カツラ会社のCMがあったでしょ。あれはまさしく、カツラをつけたまま水泳しても大丈夫という効果を強調した、見る人が見れば衝撃的なCMであった。僕がこの怪獣の名前はあのCMから発想したに違いないとひらめいたのは、あながちうがちすぎではない気もしている。
 
それにね、なんかちらっと流れていたこのズラスイマーが出たときの80のタイトルも相当だった。なんか「やっぱり観音様は強かった」とかなんとか、まるでおまえは『素浪人月影兵庫』シリーズか!? とでも言いたくるなるようなタイトルなのだ。ウルトラシリーズも創業から20年ちかく経って、この頃は迷走していた時期だったのだろうか。おまけにこの怪獣がなぜ最強怪獣候補として話題にのぼったかと言えば、結局ウルトラマンはこの怪獣を倒せず、この怪獣を封じていた観音様の像を掲げることによって、ウルトラ観音光線が発射され、そのおかげで勝ったことになっているためだ。スペシュウム光線と観音様の後光が合体して……あ、何か書いててすっげえ疲れる
 
しかしよく堂堂と出したな、ズラスイマー。もしかするとこの名前はいまでも使えるかもしらんぞ。ま、表記に正確を期するなら、僕はこの場合、ヅラスイマーではないかと思うのだが。

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