« ま、ぎりぎりセーフかな(^^ゞ | トップページ | ちょっと休憩 »

大雪ダイナマイツ

朝、目が覚めたら……と言っても4時くらいにこたつの中で寝て、バイトに出かける妻に起こされて目が覚めたのが5時半くらいだから、ほとんど仮眠ペースだが、外はパウダースノーの銀世界だった。
 
わあぁ、スキー行きてえぇなどと叫びながら、仕事で身動きできない我が身の鬱憤を晴らすかのように、朝の6時から猛烈な勢いで駐車場の雪かき、無事に妻の車が駐車場から出たのを見届けると、再びこたつに入って爆睡。次に目覚めたのが昼前の11時頃だったからもう私の生活のリズムなんて、この10年くらいぐちゃぐちゃのままです()
 
なにしろ大雪だから一日外にも出かけず、おとなしく家の中で仕事&テレビ。見たのはもちろん日課の『カーネーション』。他には『ストロベリーナイト』第4話に、地方局で始まった『リ・ジェネシス』第1話。今期の日本のテレビドラマで、毎週録画にして生き残っているのはもうこのストロベリーと『運命の人』だけかな。もちろん全部チェックしたわけではないけど、
 

さしあたって興味を引きそうな新ドラマは最低でも第1話は見た上で、2番組残留。これはね、はっきり言って多い。この欄でも番組改変期になるたび、繰り返し呪詛と絶望の言葉を吐いてきた通り、日本のテレビドラマは普通年間に1本か2本、アタリに出会えたと思えればいい方で、たいていは改変期でいろんなドラマがスタートしても、一週回り終わった頃には、僕の評価的にはほぼ全滅するのが恒例だった。
 
ところが去年から『カーネーション』にハマった相乗効果もあるのか、今期は2本もちゃんとした脚本のドラマが見られるのが嬉しい。『運命の人』についてはもう書いたので今日は『ストロベリーナイト』について一言。って、一言で言えばこれは、僕が初めて日本のテレビで見ることのできたちゃんとした女性刑事ドラマである。で、すんじゃうんだが
 
実は僕はもう20年くらい前に、女刑事を主人公にしたハードボイルドアクションをやりたくて、タイトルも「倉吉朝子の生活と意見」なんて仮題を決めていたのだが、あの頃男性青年誌は女を主人公にしたハードボイルドというのがどうもぴんとこなかったみたいで、2、3、企画を持って回った編集部は、どこも乗ってくる気配はなかった。
 
一つにはまだ若かった僕のプレゼン下手もあったろう。というのもヒロインの年齢設定を僕は一応30過ぎということにしておいたのだが、どこの編集部でも女を主人公にしたいなら年齢設定はもっと若く、22、3くらいにしてくれと言われ、そんなことはできないと僕はまったく折れなかったのだ。だって22、3くらいの女が海千山千の犯罪者と渡り合うだけでなく、職場である署内でも常に差別と嫌がらせにさらされ続けているという、極めてストレス度の高い仕事を続けられる道理がないと思っていたからね。
 
このヒロインは組織の内外に一人の味方もなく、ただ己に課したルールを守るために孤独な戦いを続けている。だから僕のイメージでは若いお姉ちゃんなどではなく、相当にタフな感じの、一見いやな中年のおばさんくらいに考えていたんだから、いまから考えれば確かにヒットしにくい要因は抱えていたかもしれない。ネタをばらせば、なにしろ僕のハードボイルドヒロインの原型はすべてジーナ・ローランズの『グロリア』だ。
 
それから幾星霜、いまやハードボイルド風のヒロインはドラマでも漫画でも、そう珍しい存在ではなくなってきている。実を言えば僕は「なみだ坂」の女医も、当初は完全なハードボイルドヒロインとして想定していたのだが、漫画家さんが感情を表わさないヒロインというのが相当描きにくかったのか(そりゃ難しいだろうとは思う)、完成した作品を読んだら中途半端に笑ったり泣いたりしてたので、僕の当初の目論見はもろくも潰え去った。でも漫画家さんがヒロインに感情を注入したおかげで、十年を超す連載になった可能性もあると考えれば、ここまで結果を出してれば、もうオーライっすよ()
 
ただね、この数十年、ハードボイルド風、ではあっても本物のハードボイルドを感じさせるようなドラマは、ほとんど見た覚えがない。あんたの言うハードボイルドとは何か、なんて言われるとまた話が長くなるので、端的にかっこいいキャラ、ストーリーとでも言い換えておこう。見本はある。てゆーか、あった。すなわちテレビドラマ黄金期の70年代、特に時代劇と一部の刑事物のドラマで、かっこいい作品は当たりだらけだった。決してオヤジの繰り言で昔はよかったなどと言ってるわけじゃないのは、あの時代のドラマをまた見返してみれば一番話は早いのだが。
 
だからこの時期に思春期を過ごした僕らの目からすれば、最近のハードボイルド系のドラマを気取った作品の陳腐さは、目も当てられない。憫笑したくなるのを通り越して、心が痛くなる。中でも女性刑事、まあ女性交渉人でもいいけどさ、こういうものを主人公にしたドラマをいままでの僕は最後まで見通すことがほとんどできなかったのだ。登場の仕方とか、歯の浮くようなセリフとか、同僚とのコントのようなやりとりとか、そういうのが一つでも引っかかると、僕はたいてい自分が何かとんでもない間違いをしでかしたときのように、恥ずかしくいたたまれなくなってしまうのでね。
 
最近では1度見てすぐやめた、最後からの恋とか何とか、そんなタイトルのドラマが痛かった。小泉今日子、好きだし、けっこう期待して見てみたんだが。シングル40代女性の本音の会話がこれだとでも言いたいのかもしれないが、そのセリフの身も蓋も無さというか、浮いてる感じというのか、露骨なセリフを入れてるわりにはそのセリフにまったく切実さが感じられず、単に見ている側に妙な違和感といたたまれなさを残すという、何とも希有な体験をしてしまった。
 
さて『ストロベリーナイト』。これはかなり挑戦的な内容である。なにしろ劇中にはばんばん業界用語っていうのか、警察の隠語が出てくるのだが、それは普通に日常会話の中で使われているだけで説明などは一切ない。あるいはあとでセリフの中で説明するようなこともしない潔さ。多少はその手の用語にも詳しいはずの僕でさえ、ときどき聞き取れなかったり意味不明だったりすることもある。これはね、気持ちのいいことだ。いま、うちらはあんたにこういう世界を見せてるんだよ、というメッセージがはっきりと伝わってくる。
 
さらに、意外と捜査手順がしっかりしている。つまり、臨場の作法や聴取や同行を求めるときの段取り、捜査方針が立ってからどのように捜査を進めていくかという部分が、比較的緻密に描かれている。女だてらにスーパーポリスがいきなりスーパーな活躍をするわけでもなければ、突飛な作戦や罠を仕掛けたりするわけでもない。それでいてヒロインのキャラはしっかり立っている。見ようによってはちょっと嫌な感じのヒロイン、滅多に笑顔など見せず、いつも何かに怒ってるかイラついてる顔つきのキャラを、竹内結子が過不足なく演じている。何よりこのドラマでは下手なコントを見せられることがない。それだけでも安心して見ていられるのは本当に有り難い。
 
『リ・ジェネシス』は海外ドラマ。何年か前、WOWOWで放映していたのを途中からちらっと見て、けっこう面白そうだと思ったものの、最初の方を知らないのでなんだか中途半端な思いに襲われていた。今回地方局の方で第1話からオンエアしてくれるのを機会に、毎週視聴しようと思っている。

« ま、ぎりぎりセーフかな(^^ゞ | トップページ | ちょっと休憩 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ