日本語に直せば緋牡丹お竜…てか?
(ちなみにこの記事、一昨日書きかけていた原稿に手を加えたものなので、時系列2日ずれてます)
朝起きたらWOWOWでアカデミー賞の生中継をやってたもので、仕事も続けにゃならんというのについついリビングでこたつ机の上にノーパソ載せながら、目の端でノーパソ越しの45inch画面を見るともなしに見てたりし、結果仕事にならねえってんで、ノーパソの蓋を閉じました←そっちかよ!()
もちろんずっと見てたわけじゃないす。あんなもんずっと見てた日にゃ、6時間くらいオンエアしとるからね。朝の9時から午後3時くらいまで。もっとも全部アカデミー賞の生中継というわけでなく、合間合間に日本側の愚にもつかないゲストの会話が差し挟まれたりするから、イベント自体は3~4時間くらいのものかもしれないが、それにしたって長いよね。
始まって2時間近い頃だったか、助演女優賞の発表でクリスチャン・ベールに名前を読み上げられた黒人女優(もうこの人の名前さえ覚えてない、『ヘルプ』という映画で黒人メイド役か何かをやってた人のようだが)、この人が名前を呼ばれた途端、腰が抜けたかどうしたか、両側からスタッフに抱えられてやっと立ち上がり、一人に支えられてようやくステージまで出てきて、ぶるぶる震えながらオスカーを受け取って、半分号泣しながら必死にスピーチしている様を見て、ああ、でもアカデミー賞って最近視聴率が落ちてるのどうのがいろいろ向こうでは問題視もされとるようだが(日本で言う紅白のようなものか?)、まだまだ映画人にとっては大した賞なんだということをあらためて確認。
正直、僕もちょっともらい泣きしちゃって、この映画見て見ようと決めてから、とりあえず仕事に戻る。
もともと僕は今回の司会をまたビリー・クリスタルがやると聞き、数年前に彼が司会したときのオープニングフィルムのあまりの傑作さを思い出し、またああいうのやるのかなと、ちょっと期待して見ただけだ。ただ、開演前の裏話を聞けば、今回はもともと司会に予定されていたのはエディ・マーフィで、彼が何でか突然降板したために、急遽代役として白羽の矢が立ったのがビリーだったということらしい。そのせいかどうか、今回のオープニングはちょっと短めで、パロディにする映画の数もあまりそろわなかったような感じはする。相変わらずジョージ・クルーニーはノリノリで出てたみたいだけど()
で、このアカデミー賞にも何部門かでノミネートされていた『ミレニアム:ドラゴンタトゥーの女』を見てきた感想でも書こうかと思ったのだけれど、何と言えばいいか、正直あまり書きたいことが思い浮かばない
決してつまらなかったと言ってるわけではないので念のため。ただ、僕が何かここで、聞いて聞いて! と言って書くときは、けなすにしろほめるにしろ、何か突出したインパクトがあるからこその話であって、この『ドラゴン』はね、正直特にここが! って人に勧めたい、あるいは一緒にけなしたい何かがあるわけではない。こういうのってちょっと困る。何か、昔小学校で見た名作文学の素直な映画化作品を見ているような気分で。
これ、僕が原作をまったく知らずに見ていたらどうなったろうと考えると、多分謎解きの部分でもうかなり混乱しちゃって、誰が誰に何をしたのかさっぱりわからくなった可能性がある。それでいうと原作読んどいて正解。凄くわかりやすく、あの長い話をきれいにまとめたものだと、その点は感心する。でもあの話をきれいに映像化してわかりやすくまとめただけの映画を、僕はあまり人に勧める気にはならない。ヒロインの天才ハッカー、リスベットを演じる女優さんも、鼻にも口にもピアスだらけでアナル・レイプまでされる熱演ぶりなのだが、まあでもそれ、原作通りだし。
つまり原作を知った上で見に行った客の心を、原作以上に盛り上げてくれる要素がほとんどないんだな、少なくとも僕にとっては。ダニエル・クレイグはボンドでファンになった役者だし、下手にアメリカに舞台を置き換えたりせず、ちゃんと原作通りスウェーデンの片田舎を舞台にフィンチャーらしい、濃密で凝った映像を撮ってくれてるのに、3時間見終わって満腹感というものがあまりない。多分僕は、原作を読んだ時点で、自分の頭の中で一度、あの話をすべて映像に置き換えて見ていたのだと思う。口幅ったい言い方をすれば、画面は大まかにその僕が想像した映像を越えなかったということだろうか。
僕は以前に、本国スウェーデン版の映画も見ていて、見終わったときの感想は、これはぜひハリウッドで再映画化してもらいたいと思ったものだが、その意味では3時間近い大作を画面のテンションを落とさずに見せ続けたフィンチャーの手腕はさすがだった。でも、新作を撮るたびにアカデミー賞の常連だったこの人が、この作品では主要部門のノミネートから外れたのは、やっぱりそういうことなんじゃないの。
ちなみにクリストファー・プラマー、お元気そうで嬉しかった。ほら、トラップ・ファミリーのトラップ大佐ですよ()
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