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君の「元」と僕の「元」はきっと違う

週末はちょっと酒を飲みに行ったりしたせいで、金曜まで順調に減っていた体重がまた2キロも戻っちまってる。これをまた、1週間かけて先週の金曜ラインまで戻していくという、もう人生永久往復運動っす。

 

その週末にいよいよ新VAIOの梱包を解き、とりあえずデスクの横に並べ、いざ環境整備に取りかかり始めたものの、その話はどうせまだ涙が出るほど遅々として当分進まないのでとりあえず置き、たまたまさっきテレビニュースで、先週後半のワイドショーの人気コンテンツの一つになっていたストーカー殺人の話題を見ていて、ふと気になった話を少しだけ。

 

いや、特にそんなおおぎょうなことを考えているわけでもなく、実は前からこの手の事件が起きるたびに僕がずっと気になっていたのは、気の毒にもこういう犯罪に巻き込まれて殺された女性たち、いまのところストーカー殺人というと圧倒的に女性が被害者になるケースの方が多いからあえて女性たちという言い方をするが、この彼女たちを殺した犯人というのは、彼女たちの元交際相手である場合が結構多い。

 

今回の事件でも、週刊誌は言うに及ばず、一般誌にだって「元交際相手」として犯人は紹介されているし、テレビのワイドショーなどに至っては犯人の代名詞として「元交際相手は」とか「元交際相手の男は」といった調子で連呼しまくっている。何の疑問も持たずにそういう言葉を発するキャスターだのコメンタだのレポだのの声を聞いてる最近の僕は、だんだん胸くそが悪くなってくる。それはなぜだろうと考えてみるに、

 

そもそも「元交際相手」って、いま流行りの言葉で言えば「元カレ」とか「元カノ」ってことになるのだろう。だったらいっそのことニュースももってまわった言い方などせず「犯人は元カレのようです」とか言っちゃえばいい。「被害者はこの数年、元カレにつきまとわれて悩んでいました」とでも言われた方が、遙かにわかりやすい。ただね、

 

それってさ、殺された人の立場になってなどと不遜なことはいえないが、多少は殺された女性の心情を斟酌するつもりで考えたなら、自分を殺した犯人が自分の死後に、元カレだったなぞと世間に向かってマスコミに言い触らされるなんてことは、たまらなく口惜しく、また恥ずかしい限りではないだろうかと思う。

 

だいたいあの「交際相手」なる言葉は、恐らく被害者側から出ている言葉ではない。たいていは警察の捜査や取材過程において、犯人周辺の人間から拾われた言葉か、あるいは逮捕された犯人が自分でそう言う場合もあるだろう。だが基本的にストーカーなんて、自分の頭の中で描いた歪んだ妄想を現実として認識してしまうような連中だ。その中には多分に思い込みの要素も含まれているに違いない。

 

なのに「犯人は元交際相手」などとマスコミに喧伝されると、僕らは被害者に満腔の同情は示しても、でも心のどこか一分の隙間くらいには、ちらっと「でも、そんな男とエッチしてた時期もあるんだよなあ、結局男を見る目がなかったということかなあ」なんて思いがかすめたりする。つまり「元交際相手」という言葉はこの手の事件のニュースを受け取る側に、ある種の偏見と予断を与えかねないのだ。

 

そういやかつて埼玉の警察が見殺しにした桶川の女子大生も、犯人は「元交際相手」であった。少なくとも事件後、あそこの警察は卑怯にも、彼女が殺された責任逃れの一環としてこの言葉を使っていた時期がある。あの人と私が交際してたですって!? 悪い冗談も休み休み言って! と啖呵の一つもきりたい被害者だっていると思うが、いくら反論したくても死者にその機会は、永遠にない。

 

僕は自分側の勘定としては、20代の頃、交際していた女性の数は6人くらいまではカウントできると思っている。でも多分ね、いまもし彼女たちに誰かが僕との過去の関係を聞きに行ったら、このうち5人までは確実に、僕を「元交際相手」としては認めないだろうなという自信がある。何の自信だ!? そのうち3人までは、僕の名前さえ忘れてるに違いない。つまり何が言いたいかといえば。

 

「元交際相手」という言葉をこの手のニュースでどうしても使うというなら、記事を書く記者はまず、被害者側が犯人との関係をそのようにとらえていたかどうか、せめてそれくらい確かめてから書くべきだろうよというのが、今日の僕の小さな主張である。

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