夜中までパソコンに向かっていても一向仕事が進まないので、先日撮っておいた特番ドラマ『上意討ち~拝領妻始末』を見る。
これはかつてかの『切腹』を撮った名匠小林正樹監督の同名作品リメイク。この話題を最初に聞いたときに一番驚いたのは、今回の撮影にあたってオリジナル脚本に手を入れたのは、オリジナルを書いた橋本忍本人であるという話。まだ生きてたのか、橋本忍!? いや、生きておられるのは慶賀の至りだけど、しかもまだ現役ってことじゃん! 確か90はもう、とうに過ぎておられるはずだが・・・。
考えてみれば橋本さんの師匠黒澤明しかり、数年前に大往生された新藤兼人もそうだけど、映画人てつくづく生命力の強い人が多いなという印象がある。ある意味においては、大島さんだってあんな大病をした割には、よく生きられたともいえる。なんかね、長生きしたきゃ映画監督になるに限るのかな。ただし大監督と呼ばれる人でないと、たぶんこの法則は当てはまらない。
さて、橋本忍本人が手を加えたと聞いて俄然見る気になったのは、『ガンダム』の漫画化を安彦さんがやったから読む気になった心境とほぼ同じであろう。とはいえ昔の名作時代劇を現代の役者、演出でリメイクして、あまりろくなことになった覚えはないので、耐えられなくなったらいつでもその時点で再生停止し、消去する気まんまん。それくらいのつもりでいた方が、ダメージ少なくてすむからね。なにしろ主演の田村正和にしてからが、オリジナルでは三船敏郎が演じた役だ。も、キャスティングの段階から気分はほとんど怖いもの見たさ。
絶対ダメ! 絶対カス! 絶対ハズレ! と、見る前に十回くらい唱えてから鑑賞開始する『上意討ち』。原作はこれまた『切腹』と同じ滝口康彦。『切腹』同様「武士道残酷物語」ジャンルとでもいうべき範疇に属する、当時は「士道」ものと呼ばれた小説の映像化。で、おまじないを唱えてから見たところ・・・
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