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あの頃は工藤夕貴が好きだった

昨夜の夜中、仕事にかかる前にWOWOWで撮っておいた『台風クラブ』を見る。

 

昔見て、なんだかよくわからない話だった印象があるものの、忘れがたい印象も同時に残していて、いまでも気になる若い頃見た映画なんてカテゴリを作れば、ベスト10くらいに入ってくる作品だ。

 

いま見直してみると、僕はかなりの部分、内容を忘れていた。何となく性に目覚める年頃の中学生たちが、迫り来る台風との相乗効果でどんどん壊れていくというか、自分の行動を自分でコントロールできなくなっていく少年少女たちの危うさみたいなものが描かれていたっけというくらいの記憶しかなかったけど、改めて見直してみると、けっこうこの映画はさりげなく随所に凄い。

 

僕はこの頃、出入りのライターにロリコンと決めつけられるほど、女性の趣味に関してはある傾向があったけれど、工藤夕貴はそんな傾向を持つ人間にはまさにどんぴしゃりのアイドルであったはずだ。なのに僕はこの映画を見返すまで、この中に彼女のスク水姿から始まって、いやもうパンチラはあるわ、下着姿はあるわ、とどめに彼女のオナニーシーンまであるなんてまったく忘れていたのである。じゃ、もしかして俺、この頃、工藤夕貴ってそんなに関心なかったのか!?

 

この映画を見るのは多分30年ぶりくらいだと思うが、いま見ても古さは感じない。ただしそれは昭和30年代生まれの僕が見ている限りの話で、いまの現役中学生がどう感じるかはちょっとわからないが、古い木造校舎、田舎の中学生、膨大にふくれあがる性欲と異性への関心をどう折り合いつけていいものかさっぱりわからなかった思春期のあのざわざわした感じは、確かに40年くらい前の僕らも共有していたものだ。

 

少女子役を使うのがうまかった映画と言えば、僕は『桜の園』なんかを思い出すが、この相米慎二監督も子役使いのうまさで世に出てきた人という印象が僕にはある。ただ、中原俊の少女に対するまなざしには優しさを感じるが、相米さんの視線はけっこう容赦がない。容赦なく思春期の子供たちをぶりぶりと追い詰めていき、思春期のパワーが若さと明るさと溌剌で、というイメージとはまったく違う、暗く不気味で、意味不明な行動をあぶりだしていく。

 

僕が最初に見たとき感じたよくわからない話という記憶は、多分そのあたりからきている。あの頃は僕自身も若くて、多分見たものすべてに自分勝手な解釈でもいいから明快な答えを求めていた。いまは、そんなものなくても我慢できるし許せるし納得もできる。だから僕の中であの映画の評価がかなり高まったのかもしれない。

 

あ、でもいま思い出したが、やっぱり僕はこの頃、工藤夕貴が好きだった。だって彼女のレオタード見たさに『逆噴射家族』、3回くらい観に行ってるからな()

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