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震える話

WOWOWで録画しておいた『震える牛』を見る。

 

これはWOWOWオリジナルドラマシリーズの1本で、このシリーズがドラマとしていいのは民放ドラマのように、ギャルガキ向けの企画がほとんどないことと、その結果として当然カタカナ事務所系のタレントやアルファベット団体系のアイドルなどを見なくてすむというだけで、ずいぶん画面的には目に爽やかである。

 

そのうえでもちろん、民放ドラマが決して手を出さない、あるいは出せないような企画、原作ものを手がけることができるという、いまの民放ドラマがほとんど失ってしまった製作環境がありそうに、思える。

 

でも一つだけネックがあって、やっぱり大放送局じゃないから恐らく金はそんなにないということもあるのだろうか。けっこう壮大ぽい話をやっても、なんだか画面的にはスケールが小さい感じがしてしまう。演じる役者も、けっこうかぶってきてるしね。腕のある監督を連れてきた日にゃ、それなりの完成度を見せてくれるけど、いままで僕はこのWOWOWドラマで感心した作品って、あんまりない。持ち上げといてなんだけど。

 

もちろん既存の民放ドラマにほぼ絶望している僕としては、WOWOWのこういう企画こそぜひ成功してほしいと思ってるし、それによってまた他の制作者たちにもいいフィードバックがあれかしと願っている。応援はしてるけど、いまいち。それがいまの僕の正直な感想。

 

この日曜から始まった『震える牛』も、恐らく民放では絶対無理な企画。まだ記憶に新しい食肉偽装事件を題材に扱った小説を原作としていて、僕は原作は未読だけど、本を読んで頭の中でイメージするのと、実際に映像で様々なカス肉を見せて、これが食卓に、という話をされると、半端ねえリアリティがある。その部分だけはね。

 

例によってキャストや脚本に突っ込みたいところもあるが、これはまだ始まったばかりだし、もう少し様子を見てみよう。ただ、例の偽装事件のときも非常に個性的な食肉会社の社長が逮捕されたりしたが、おそらくは彼がモデルなのだろう、物語の重要な鍵を握る食肉会社の社長を古田新太が演じている。フジの土曜夜ドラで眠たいコメディの主演をしている彼には何の魅力も感じられず、もったいない使い方をしていると思ったものだが、この社長役はまさに彼の本領発揮の怪演を見せてくれそうな予感。今後が楽しみ。

 

だから僕は別にこのドラマをけなしてるわけではなく、もっと面白くしてくれよと思ってるだけだが、この内容そのものはかなり衝撃的なものを含んでいる。1話のクライマックス、内部告発者がファミレスで密かに接触した記者に、食肉偽装のからくりを説明した直後、そのテーブルにハンバーグ定食が置かれるという演出はうまいと思った。ドラマの話とはいえ、僕は当分、ファミレスで肉類を食う気にはなれない。これこそが社会と切り結ぶドラマの面目躍如というもの。

 

でも外食率80%の僕は、それならいったい何を食べればいいのだろう。日本人らしく、すぐ忘れることを期待して待つか。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

本当に震えます。いろんなものが落ちていく感じを受けるこの国に、私が大好きなはずのこの日本に、希望ある未来を見てから、死にたいものだ。

Takaishiさん、こんばんは。

あのドラマはご覧になったのでしょうか。ただの「社会派」ドラマなのに、下手なホラーより本当に恐い話ですよね。

あの古田新太、僕が見た新太史上一番恐い新太です(^0^;)

いやー、うじさん、スンマセン、うちは関西地上波しか観れないです。うじさんの文(得にハンバーグあたり)とそれに触発されて私が思い出したニュースの数々だけで、思ったことを書きました。
しかし古田新太という人、ネットで確認しました。アッカンベーの『さしこ(「さっしー」に変わるようだ)』ほどではないけれど、愛称『古ちん』とは、顔もコワモテだが、破壊力あるー。

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