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久々に地雷(>_<)

昨日は、仕事から戻ってきた妻を誘って八幡マイカルへ映画を観に行く。ちなみに八幡マイカル、しばらくいかないうちにイオンシネマとかって名前になっていた。凄い。席に座ったらスクリーンから何かのプラズマとか知らないうちに放射されてそう。

 

観に行ったのは『リアル』という映画で、実は昨日で公開終了予定だったため、妻には仕事からとんぼ返りで八幡に連れて行くという多少の無理をさせて劇場へ行った。終わったあと、僕は妻には平謝りに謝った。妻自身はけろっとしていて「そお? 私、案外クライマックスの恐竜シーンとか、迫力あって楽しんだよ~」などと言っていたが、僕の感覚で言えば、

 

ほとんど『どろろ(僭称)』にも匹敵する「あえて言おう、カスであると!」映画であった

 

ま、さすがに現時点で『どろろ(僭称)』を超えるクソはまだ見てないから、あれと比べるところまで言うのはちょっと酷過ぎたかもしれない。仮にも綾瀬はるかちゃんの出ている映画だしな()

 

僕はたまたま原作を読んでいたもので、つい、あの世界観を映像ではどう表現するのかという興味もあったわけだが、はっきり言って原作はほとんど関係なかったね。そうなると、他人の意識に潜入することが出来るセンシングという小説のアイデアだけが欲しかったのかどうか。

 

ただ、このアイデア自体はSF系の小説や映画の中では別に新しくも珍しくも何ともないネタだから、もうそうすると本当に、いったい製作者はこの映画で何がしたかったのか、観終わったいまでもさっぱりわけがわからない。

 

原作の小説は好き嫌いがあるとは思う。現に妻は、一読して「気持ち悪い」という感想を漏らした。僕はあれをSFというよりはある種の不条理小説として読んだから、別に血湧き肉躍る話ではないものの、だんだんとあやふやになってくる存在の不確かさ、あるいは生と死の境界のぼやけ方というものを、非常に興味深く読んだ。

 

けれど、この映画に関しては僕は事前の情報をほとんど仕入れなかったので、本気でそういう方向の映画にするのかどうかはわからなかったし、主人公も原作ではヒロインだが、映画では男の方にして、しかも原作で姉と弟だった関係を恋人同士という設定にするという話を聞いて、一抹の悪い予感はしていた。まさか製作側は、あの話をラブ・ストーリーにするつもりじゃあるまいな、と。

 

ええ、不幸なことに予想は当たりましたよ。もう思い返すのもめんどくさいのでいちいちは言いませんが、たとえば妻がちょっとだけ手に汗握ったというクライマックス部分だけに絞って言えば、僕は失笑をこらえるのに苦労するばかりで、ついには綾瀬はるかが「もう一度やらせてください!」というところでは思わず「ぷっ」と声が漏れ、ジュラシック・パークになったところでは腹を押さえてひいひいし、しかも綾瀬はるかが恐竜を撃退するシーンではとうとう「はっ!」と笑い声をくしゃみにごまかすのに苦労した。

 

そもそも首長竜を配したこのタイトルも、サリンジャーのバナナフィッシュのパロディみたいなもので、作中ではそれなりの意味を持ってきてるのだけれど、もう後半はすべて関係ないねっ! とでも腹を決めたかのような暴れっぷり。それはそれで別に確信犯なら構わない。原作のタイトルだけ借りて原作を壊すというのはこの業界ではよくある話。ただし、面白くしてくれさえするのなら、という条件は必ずつく。

 

で、実際に見せられたのは陳腐なラブストーリーと出来損ないのジュラシック・パークだ。前半はあくびをかみ殺すのに必死で、後半は笑いをかみ殺すのに苦労した。僕にとって昨日、映画館で見た最高の作品は、4分間の宮崎駿の新作予告だった。

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