思い出毀損罪
週末にはいよいよ個人的にこの夏の大本命『スター・トレック』を観に行くつもりだったのに、例によって予定通りに仕事が進まず、諦める。僕はこの先、いったいどれほどのことを諦めながら人生を終えていくのだろうか。
とはいえ、この後にはまたまたまたのスーパーマンのリメイクも控えているし、とりあえず映画状況は墓場のようだった夏を終え、ちょうど夏休みが終わりかける頃から俄然面白くなっていく。だって夏休みの時期って田舎のシネコンしか近所にない人間にとっては、お子様向けかガキ向けか、くらいの映画しかやってないからね。
今回の『スタトレ』も1作目こそ劇場で観ることはできなかったが、ビフォア・トレックというかヤング・トレックというべきか、とにかくおなじみのキャラ全員を一気に若返らせた新シリーズは期待に違わぬ出来であった。新作で彼らが戦う相手も、僕は恐らく旧シリーズでも出てきたあいつだと踏んでいるのだが、だとすれば今風のノリでなかなかの美形キャラになってるようだし、いやがおうでもワクワク感は盛り上がる。ほんと楽しみ。
ハリウッド映画がうらやましいのは、向こうのコミックやテレビシリーズを原作にした、日本で言えば漫画やアニメの実写化と言われるジャンルの作品に期待すると、もちろん例外もあるけれど、とにかく期待以上のものを返してくれる作品をちゃんと作ってくれることが多いという事実である。
だってさ、バットマンでもスーパーマンでも、このスタトレでも、作品として興行的に成功していなければ、いくら何でもまたかよと思いたくなるほど何度もリメイクを繰り返せるはずはない。で、実際に映像、脚本、演出はリメイクするたびに進化していて、しかも主人公どころか敵役までほとんど同じキャラを出してさえ、また新しい魅力をきっちり詰め込んだものを、ちゃんと市場に送り出している。
ハリウッドが売れ線企画やかつてのヒット作リメイクに頼ったりするのは、はっきり言えば企画力の衰退であり、明らかに守りの姿勢に入ってることは違いない。が、それでも娯楽映画としてまっとうな、2千円近い金を払っても惜しくないと思える程度の作品を作っているのは、やっぱり娯楽のプロフェッショナルな国だなあと感心する。
だって日本はあなた、『ガッチャマン』ですぜ()すでにネット上では、人柱となった人々の阿鼻叫喚なレビューが目立つ気配だが、あんなもの予告見た時点で地雷の表面をプラスチック爆弾でコーティングしてるような映画だとわかりそうなものだ。
僕は繰り返し述べている通り、日本映画そのものには期待も応援もしたいが、日本の漫画やアニメをこの国で実写映画化するなんて企画は、もう法律で禁止してほしいとさえ思っている。でなきゃ手塚先生や永井先生の素晴らしい作品、僕らが少年から思春期の頃、本当に心の底から震えた作品をどぶ川に沈めるような映画を作った連中を、思い出毀損の罪で訴える権利を保障してほしい。まじです。
ちなみに僕は、いままでの人生において見てきた日本映画の中で、ワースト3の作品を選べと言われれば、それはジャンル的にはすべて漫画の実写化作品ということになると思ってきたが、いまふと気づいた。日本映画ワースト10を選べと言われたら……やっぱりすべて、漫画かアニメか子ども向けテレビ番組の映画化になるわ()
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コメント
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イントゥ・ダークネスは多分、ロングラン。あきらめず出来れば
3Dでみましょうよ。私は初の3Dを、このスタトレで観ようかと
思ってます。 またまた失礼。
投稿: Takaishi | 2013年8月28日 (水) 20時09分
>Takaishiさん
うちの近所のマイカルでは、公開週ですら1日3回程度の上演しかなく、2週目の今日からは二度と見ないと誓った3D版が2回(しかも吹き替え!)、字幕版に至っては9時過ぎのレイトショー1回のみとなっています(ToT)……ガッチャマンは5回もやってるのに(号泣)
悲しいけど、これって田舎なのよね。
投稿: ujikun | 2013年8月30日 (金) 11時02分
(T-T)ヒック、スンマセン。
投稿: Takaishi | 2013年8月30日 (金) 16時35分