« 許されざる〆切遅れ(__;) | トップページ | まるで最近の株価のような(^_^;) »

『ごちそうさん』の空疎な満腹感

新ドラマがいろいろ始まる季節になったので、全部とはいかないが、気になるものはなるべくチェックしようと思っている。なにしろこの1、2年で日本のドラマはそれほど捨てたもんばかりでもなくなってきた気がするからだ。

 

1シーズンに1本、どうかすると2~3本くらい、連続録画できる番組があるのは日本人として喜ばしいことだが(含アニメ)、僕はコンスタントに海外ドラマも週に2~3本録画しているので、油断してるとあっという間にHDの残量がなくなってしまう。これは録画した片端から消費(鑑賞)していかねばならず、なかなか管理が難しい。さて、今季の国内ドラマはどれくらい毎週見たいと思う番組が出てくるだろうか。

 

前期の評判は良くも悪くも『あまちゃん』『半沢直樹』にとどめを刺す。当然、この2番組のあとをやるのは脚本家にしろ役者にしろ、とにかく嫌なものだろう。どうしたって比べられてしまうし、恐らくは1回目の視聴率は前作時間帯の流れを受けて、かなりのご祝儀相場になることが予想されるからだ。で、中身に前作ほどのインパクトがなかった場合、視聴率はじりじりと貧しいことになっていってしまう。

 

やってる人間側になって考えると、この漸減感がとにかく骨身にしみる。いっそ初回から視聴率5~6%くらいで始まってくれた方がよほどせいせいして精神衛生にはいい。とはいえ、どちらの枠も視聴率5~6%で許される場所ではないところがつらい。ちなみに僕はこの2作の後番組は、ほぼ確実に両作品とも前作を凌駕することなどできないだろうと、とりあえず企画を聞いた段階で思っていたし、予告を見た段階でその思いは確信に変わった。のみならず、どちらの作品とは言わないが、恐らくはただの失敗なんてレベルではないほどの、高転びに転げる姿が見られそうな予感はある。

 

……と、ここまで先週のうちに書いてたらいつの間にかもう新番組がほぼ始まってる季節になっていた()。というわけで、いままで見たものだけ、簡単な感想を。

 

まず例の朝ドラの後番組であるが、これ、脚本は確かTBSで『仁』をやった人として覚えていた名前である。『とんび』は1本も見てないのでなんもいえねー。いずれにせよ、僕はそこそこ感動して『仁』を見ていたので、それほど下手な作家という印象はない。

 

で、見たのが『ごちそうさん』。正直、第1話からかなりつらかった。『仁』を書いた人の作品だからもう少し我慢すればだんだん面白くなるんだろうとか、ヒロインが好きになれるような仕掛けが用意されているんだろうとか、あいたたたと痛い笑いではなく、もう少し自然なコメディ要素も出てくるんだろうとか、原田泰造の芝居ももしかしたら気にならなくなるだろうとか、いろんなことを思いながら見続けたが、ごめんなさい、さそり座のみなさん、僕は土曜までが限界でした。

 

なぜか妻は2週目以降も見ることにしたと言って、いまだに見ておりますが、僕が2週目以降にこのドラマが良くなったと思った点は吉行和子が死んだことだけで、できれば一緒に原田泰造も退場させてほしかったのに彼がいまだ残っていることにはまったく納得がいかない。さらにヒロイン、予告を見た時点であ~あとは思っていたが、実際にドラマの中で動き出したその芝居、セリフ、所作を見たら、もう、はああ、としか言えなくなってしまっていた。

 

まあ、何がどうダメかを言い出せば、あくまで僕流のドラマ作法に照らして考えるだけでもいろいろ問題点はあるのだけれど、僕がおおよそ他の作品を見てここがこうつまらなかったと後で考えるのは、すべて自分の勉強のためという要因がある。ここでこんなことすると狙っている効果が薄くなるとか、こういうセリフはここでは逆効果だとか、そもそもこのテーマでこの行動は整合性がとれていない……などなどと。

 

それをやらないと、どこかのレビュー系掲示板で、それほどたいした経験と考えもないような連中が、自分の感情と性癖だけで気に入らない作品に対し、単なる中傷でしかない雑言を感想だと勘違いして書き込んでいるような、そんなものと同等に思われるのではないかという恐怖感が常に僕にはつきまとっているのだが、この『ごちそうさん』に関しては、もう今後も僕は見る気も起きないだろうし、そんなにもっともらしいこと言わなくていいかなとも思っている。つまりね、正直どこをどういじってもこのドラマ、僕には興味が持てそうにない。

 

ぱっと見、興味持てそうにない話でも、見ているうちに引き込まれて、いつの間にか興味がなかったこともすごく興味のある世界になっていた、なんてことが出来れば最高の脚本だけれど、あいにくこの脚本にはそんな力もない。登場人物の芝居はほぼ全員、画面を見ずに声が聞こえてくるだけでもいらいらしてくる。なんだか脚本がつまらないせいか、それをみんなわかって演じているせいかどうかはしらないが、このドラマの登場人物誰一人として、楽しそうに見えないのだ。

 

『カーネーション』にあった、画面からこぼれてくるような役者さんたちの至芸の数々、『あまちゃん』にあった、画面から爆発してくるような登場人物の瞬発力とパワー。毎朝、これを見たい、というものがいまのところ、このドラマからは感じられない。といって、朝から毎日フランス料理を見せられてもなあ……もし製作側がそういうつもりで毎朝料理を手を変え品を変え見せているのだとしたら、完璧にそれは外してるぞ。料理なんか見せなくていいから、話をもっと何とかしてくれ。

 

もちろん朝ドラが毎回毎回面白すぎても、それはそれで疲れて困るし、いろんなタイプの作品があってこその朝ドラだとは思うけど、この作品は僕はパス。後は妻がどこまで見続けるのか、あるいは最後まで見終えるのかどうかを、横から見ていることにする。

« 許されざる〆切遅れ(__;) | トップページ | まるで最近の株価のような(^_^;) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ