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しあわせな日

生まれて初めて日本シリーズを第7戦まで見た。全試合フルでつきあっちゃないが面白かったし感動さえした。楽天が先に王手をかけたとき、第6戦は田中で負けて決着は第7戦でつくのが一番おいしいストーリーだと妻に言ってたら本当にそんな展開に。やはり誰かシナリオ書いてないか?(^0^;)[11/03のついとより]

 

体がどこか熱っぽく、仕事も予定通りまったく進んでないので、今夜は合気の練習の日だったが大事を取って外出をやめ、部屋でこたつにうずくまりながらテレビで日本シリーズ最終戦を見る。

 

実を言えば今年は日本シリーズが気になって、試合をやってたらテレビをつけてちょくちょくチラ見したりしていた。あ、でも田中が投げたときはガン見っす。昨日の第6戦、田中は負け試合を最後まで投げきったが、もう僕はね、今年楽天のペナントをちゃんと見てなかったことが本当に恥ずかしくなってきましたよ。こんなに頑張ってる人のことを僕はシーズン中、まったく知らなかったからね。

 

同時に、今年楽天のファンをやってる人たちは、実に幸せな半年だったろうなと、そのことがとてもうらやましく思えた。

 

はっきり言って、田中が今シーズン無敗で、しかも前シーズンから通算すれば30連勝くらいしてるとかって話は、日本シリーズの始まる直前に知った。だから僕は田中について語る理由も資格もない。ただ彼と同時代に生きる人間としては、とにかくこれはちゃんと見ておかねばならないだろうと思ったのだ。30何連勝してるプロのピッチャーなんて、多分もう見られる機会なんかそうないぞ。『ドカベン』の話じゃないんだから

 

ろくに運動も出来ないくせに、僕が気まぐれに野球やサッカーや卓球など、日本シリーズやワールドカップやオリンピック等、その折々にお調子者のファンになるのは、そこにわかりやすいドラマティックな状況が生まれることがあるからだ。始めにドラマありきのプロレスみたいなのはまったく受け付けないんだが。その意味で今年の楽天田中ほどドラマティックな存在感を見せつける選手はいない。

 

ただ、彼をもっと盛り上げるためにはこうすればもっといいのに、と考えていたら冒頭のついたみたいなことを、妻相手に「呟いて」いたわけだ。僕はどうも、世の中のいろんな事象をドラマとして見たがる傾向があって、その意味では純粋なスポーツファンというわけではない。だから今日も、僕は楽天が3点リードしている状態で中盤から好投の先発を変えてきた時点で、あ、これはもしかしたら9回に田中が出てくるなと思ったらその通りになった。

 

解説者は田中の登板を予想してなかったみたいだが、それは彼らが元プロ野球選手であり、僕が野球のやの字はおろか、スポーツには何の縁もないど素人だったせいだ。つまり僕はその状況を野球の常識ではなく、ドラマとして読み解けば、9回のマウンドに立たせるのは田中以外にありえないと思ったからね。だいたい星野さんという人自体、芝居がかったことが好きじゃん。

 

そんなわけで、今夜の楽天日本一は実に最高の盛り上がり方で決まった。日本シリーズで初めて負けた無敗のエースが、最後の最後にリベンジを決めて強敵巨人を沈めるという図は、どんな計算にもまさる演出効果だったといえよう。東北楽天という名前には、また別の意味づけも行われるからなおのことだね。

 

とにかく今宵、楽天を応援してきた人々はまことの美酒に酔いしれているだろう。こういうチームを応援できるって、本当にしあわせなことだ。選手やファンの人たちには心からおめでとうと言いたい。同時にこのチームが日本一を決めた相手が巨人でよかった。まことに巨人は強敵で、無敗の田中に一度は土をつけ、最後まで見せ場を作ってくれたからね。

 
本音を言えば、なにより下手に阪神がCS勝ち抜いたりしなくてマジよかった。こんなチームと戦ったら、絶対いろいろ比較されるだろうし。楽天、あんたらつくづく、選手も監督もかっこよく、立派だったっすよ!()

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