ミッションなんか、もうやめだ!
『そして父になる』を観に行く。あの監督らしい淡々とした、静かでしみじみとした映画だったが、一緒に見ていた妻は一言「どこに切り込もうとしてるのか、まったくわからない映画だった」……最近はたいていのことを許してしまいがちになった僕より彼女の方がちゃんとした批評眼を持っている(汗)[11/12のついたより]
まあ、この映画、オノマチは出てるし真木よう子は出てるし、こちとらすっかり『最高の離婚』的な、あ、もちろんコメディではないだろうけど、ともあれあのときのような女優魂一騎打ちみたいな見せ場もあるのかと期待したりして出かけたわけです。やっぱりちょっと、偏差値高く設定しすぎたかな
もちろん是枝監督は名手といっていい人だと思うけど、この人の演出は何かを声高に訴えたり、あざとい見せ方を意識的に排除しているような作風だから、ハマれば非常に心地よい映像と会話を見ていられるけど、うちの妻のような人に見せると、まず6割方は爆睡させてしまうような演出であるという言い方もできよう。
正直僕は、映画だから何か訴えるべきものが必ずなければならない、とまでは思わないけど、てゆーか何も訴えない映画というものもあってはいいと思うけれど、この映画に関しては、客に対して何も突き刺す気がないのなら、あえてこのテーマを選ぶ必要はなかったのでは? とは思う。
でも妻と映画を観に行こうとなったとき、『清洲会議』とこの映画とどっちを見るかで僕は妻に、お話としては『清洲会議』の方が面白そうだけど、見るべき映画としての値打ちは多分こっちの方が上だろう、などと妻を説得してこの映画を見せた以上、そう簡単に観終わってから、なんかいまいちだったねとは言いづらかったのだ。
妻の感想はまことに的確である。
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