なぞ転にきゅんきゅん
ま、我が家ではすっかり「なぞ転」という略称で定着してしまった『なぞの転校生』だが、決めた。オレ、もうこのDVDBOX買おうっと()
上京で一週間近く家を空けるため、前夜までの土日でテレビに録画し溜めた番組を何本かまとめて見た。日本製のドラマは山形勲&加藤剛版『剣客商売』と『MOZU』、そして『なぞ転』。新作として『MOZU』は、やはり内容的に面白いし、画面のクォリティも相当なものだということは認めるけど、ちょっと最近『ロング・グッドバイ』と同じ傾向の病にかかってるような気がしてきた。つまり、眠い。いつも面白いから一緒に見ようよと妻を誘って見ているのだが、気がつくと妻はたいてい爆睡している()
『ロング』の感想でも書いたけど、やはり本格ハードボイルドを映像化するとたいてい眠くなってしまうんだよな。一つにはこれは和製ハードボイルドの類型でもあるんだけど、主人公はたいてい内省的で、だからセリフは弾けようもなく、おまけに要所の動を強調するための平易な静が延々と続く展開が多いため、相当の手練手管がないと客はかなりの退屈感を味わうことになりかねない。妻などは主役の西島のセリフが全部お経に聞こえるなどと言い出した。
確かに……僕も母の葬儀の最中に坊さんのお経を一番前の席で聞いていて、思わず椅子から転げ落ちる寸前に妻に脇腹をつつかれてハッと目を覚ましたが
相変わらず感心するのは『なぞ転』。もちろん第1話からハマってるわけだが、これは回を重ねてもまったくテンションが落ちず、しかも毎回、次はどうなるのかと先の展開が待ち遠しくてならない。
テレ東のこの枠のドラマは、毎回高校生役者の使い方が抜群にうまいのだけれど、今回はなんだろう、まだどんな展開になるかもわかってないのに、彼らの日常の学園生活を見ているだけで、ときどき胸が締め付けられるほどきゅんきゅんしてしまい、時に自分でもなんでと思うようなシーンで目頭が熱くなってしまってたりする。
まあ、もうジジイだからね。箸が転げても泣きたい年頃になってきたということも若干あるだろうが、多分それだけじゃない。このドラマは『けいおん!』を見てじーんときた要素と同じものを持っている。つまり、僕らにとっては遠い過去になった取り返しのつかない青春の時間を、まるで銀塩写真のようにそこに焼き付けているということだ。
たとえば高校や中学を舞台にした、いわゆる学園ドラマは民放でもよくやってるし、かなりの視聴率を取ったものもその中にはある。だけど、その手のドラマに僕がいままでほとんど食指が動かなかったのは、たとえばこの僕でさえ知ってるような若手俳優がぞろぞろ出て、前にもどこかで見たことのあるような芝居をしていたり、しかも脚本がいかにも当世の若者が喋ってます的な内容を、下手なセリフとオーバーアクションでコントのように演じるものが、ほとんどだという印象が強かったからだ。
無理に今風の話題なんかぶっこまなくたって、青春は常にスタンダードなのだ。多感な十代の頃に感じる不安や戸惑いや小さな喜びの日々は、基本的にすべての世代に共通する記憶があるだろう。このドラマはそこを丁寧に描いている。だから、どっか謎の世界から謎の王女様が突然転校してきたりする学校の話なのに、彼らの日常がすべて愛しく、切なく見えてくる。
いいなあ、なぞ転。ちょっと前まで『鈴木先生』のDVDBOX買おうと思って貯金してたけど、すまん、鈴木先生。先に転校生を買っちまうかも・・・
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コメント
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きゅ~んきゅ~ん、きゅ~んきゅ~ん、私のカ・・・
(ボカッ(怒))
投稿: Takaishi | 2014年6月 1日 (日) 13時04分