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時は流れて夏もいく

あっという間にお盆も過ぎようとしている。今年は母の初盆になるが、これもまた気づいたらもうそうではないかという話で、特別なことは何もしていない。お盆を過ぎたら秋の気配。流れるように時は経ち、今年の終わりも見えてくる。

 

終わりと言えば、この国はもうそろそろ終わりそうだという嫌な予感が体を満たし始めたのも、今年になって顕著だった。いずれ同じようなことはまた年末か年始辺りに書きそうな気もするが、とりあえず1年の半分が過ぎたばかりの時期にもうそんなことを思っている今年という1年は、いやはや年末にはどのようなことになっているのか。

 

妻の仕事が夏休みに入ったが、今年はどこにも行けそうにない。例年ならせめて1泊2日くらいのドライブ旅行を企画するのだけれど、なにしろ一度上げた小説の修正原稿を催促されているのにまだ手をつけていない以上、これを片付けないことには気分も体も晴れたものじゃない。でもこれを乗り越えねば本は出ない。そのかわり出せば必ず売れると編集側は言ってくれている。

 

その原稿を書く時間を作るために10年書いても単行本の出ない連載作品の原稿を書きためようと四苦八苦している。原稿速度はもはや若いときの3分の1以下に落ちているから、僕としては人生後半の勝負を賭ける小説の方に全精力を費やしたいのが本音だけれど、もちろんそんなわけにもいかない。原付漫画はチーム作業なんだから、僕の仕事には漫画家さんの生活はもちろん、そのアシさんの生活だってかかっている。

 

子どものいない僕はせめて毎年の夏休みシーズンくらい、妻と日常に何の不都合もなく暮らせている間になるべくたくさんの思い出を積み重ねていきたいと思っているが、何か構えて思い出になるようなことをしようとすると、そのためにはまず仕事をして稼がねばならず、稼ごうと思えば思い出を作るような時間を削ることになる。どこかに本末転倒があり、その因に近いところにかくあらねばとかかくあるべしという、手前勝手でしかも強烈に頑固な思い込みがある。

 

案外、世の中とはこのようなものだ。仕方がないと、苦笑い一つですませられているうちは、まだ花よ()

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コメント

こんにちわ、うじ先生。日本がどうなるかも心配ですが、
先生の仕事のことはこのブログで少々知ってます。

小説の完成、祈っております。

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