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本を捨てる

少し、本気で部屋を整理しないことには、どうにもならなくなってきた。

 

もはや僕の仕事部屋のドアを開けると、パソコンのあるデスクまでの通路が日ごとに細くなっていくのが自分でも認識できるようになってきたのである。

 

それは床に積み上げた本やら雑誌やらの山が、両側から徐々にさらさら、さらさらと崩れて腐海の如く、人の通る道を浸食していくゆえであり、以前はそれでも確か1メートルくらいの幅は見えていたはずの床が、いまはもう50センチ幅を切りそうな勢いになっている。

 

僕なぞは、これも腐海のほとりに住む者の定めよと呟くのだが、そういう風流を一切解しない妻は、ドアを開けるたび「私が完全に不機嫌にならないうちに、このゴミ部屋を何とかしてよね!」と、まるで市役所から来てゴミ屋敷の住人をなじる役人のように、もう十年くらい前から言い続けている。確かにね。考えてみたらこの部屋、もとは8畳くらいの全面フローリング床だった。

 

というわけで仕事がとりあえず緩いうちに、少し本を整理しようかと段ボール箱に本を詰め込み始めたが、実は僕はこの十年来、年に5~6度はこの作業を行っている。なのになぜ一向に改善の気配が見えないか。

 

それは作業に取りかかり始めてものの30分も経たないうちに、捨てようと思っていた本の中から気になる本を見つけてしまい、ほう、こんな本も買ってたんだっけ、と手に取り、パラパラめくって中身を確認し始めたが最後、そのまま1~2時間、同じ姿勢ですっかり読みふけってしまうからだ。

 

あげくに、ああ、この本は捨てられない~、と、もとの本棚に戻して整理を終えるため、結果として時間を浪費した上に本は片付かず、むしろ中途半端に本を詰めた段ボール箱が、腐海の山の上にぽつぽつと増殖していくだけという、だったら最初からいっそやらなきゃよかったじゃん、片づけ、というフクイチの防護壁騒動みたいな状態にしかならなくなってる。

 

そんなアウトオブコントロールな僕の蔵書問題だが、だからといってただ手をこまねいているわけにもいかず、妻の僕に対する支持率がこれ以上下がるのを防ぐためにも、嘘でも何か片づけているというポーズを見せておく必要があり、今年もこうやって何度目かのまた本の整理週間にいま突入している。

 

そんな中、自分でもなんでその本を買ったのか、理由どころか買ったこと自体を忘れていたが、先ほど腐海の中から取りだした一冊の中に、こんな本を見つけてしまった。タイトルはずばり『日本の童貞』

 

一応発行は12年前の2003年だが、この頃はとりあえず僕はもう童貞ではなかったし、むしろセカンド童貞と言える時期に突入した頃かも知れないけれど(^_^;)、だからといって特に何か童貞をテーマにした話を書こうと思い立ったりした記憶もなく、まあ、単に個人的な趣味でタイトルが気になり、ついふらっと衝動買いしてしまったのだろう。

 

なにしろこの本の帯は『童貞がカッコいい時代があった!!』である。

 

知らんぞ、そんな時代()。もしそんな時代があったなら、大学時代の僕なぞ相当カッコよがられたはずだが、あいにく思春期にも青春期にもそんな覚えのあった時代は一度もない。そうか……多分、俺がこの本買った理由は、この帯のアオリだな。

 

目次を見ても、前半は「新妻に捧げる贈り物としての童貞」とか「福沢諭吉の童貞のススメ」など戦前期の童貞事情の文化的背景から始まり、あげくは「童貞は見てわかる」(ぎょっ(@_@;))だの「童貞差別を生き延びるには」などという、なんだかものすごい論に発展していくのである。

 

確かになあ、僕らが思春期を送った70年代あたり、若者向けグラビア誌や情報誌のトップ特集は1週おきにナンパとセックスの初心者マニュアルみたいな記事が並んでいて、あの頃の若者のリッチの象徴アイテムはマイカーと、付き合ってる女がいることだった。

 

ちなみにこの本は、その手のナンパ記事を書いていたナンパライターの作などではなく、東大大学院の研究生であった著者が修士論文として書いた論文に手を加えたものである。その意味では一応現代日本のジェンダーを介した文化論にもなっていて、それなりに興味深そうな主張もあるのだけれど、いかんせん僕はこの内容をまったくさっぱり覚えていない。もしかすると買っただけでちゃんと中身を読んでなかった可能性もある。

 

アマゾンで調べてみたら文春新書での新刊はなく、古本で最低価格14円から売り出されていた。ただし最高額は5千円台の金額がついてるものもある。定価700円なのに。てことは、僕の本の保管状態もきれいなままなので、もしかしたら定価以上の値がつくのか!? とりあえず新刊もないことだし、こいつは捨てられねえ。もう一度本棚に戻して、ちゃんと読み直そう。

 

……てことで、今日の本の整理は、終わり!

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コメント

こんな歌がありました。 「こうして一日が お決まりのように 暮れていく」 ああ。

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