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初取材

過日、担当S女史より「なんか日経メディカルの人がうじさんに会いたいと言ってきてるんですけどぉ」と電話あり。

 

僕は最初それを日系のメディカル人という団体が何か僕に文句を言ってきたのかと聞き間違えて身構えたのだが、さらに聞けば僕もよくパクら…(×もといっ!)参考にさせていただいてる医療系ウェブマガジンのことだというので、やっぱり何かネタを参考にしたのがバレてしまったかとビビりかけたところ「いえ、なんか今度医療漫画の特集をやるので、現在連載中の作品を片っ端から取材してるそうですよぉ」と、よく口内頬肉の発達した口特有の発音で答える。

 

だったらそんなの漫画家さんに相手してもらってくれよぉといったんは断ったのだが、敵もさるもの「(作画の)K先生は、うじさんにとおっしゃってるんですよ~。それに、作家インタビューって、わりと若くてみばもよさげな新人女性編集者あたりの定番お仕事だからぁ……」

 

仕方ない。受けよう。

 

と言って、すぐ承諾し、取材当日の金曜は昼までに散髪を済ませ、服も何か涼しげで爽やかなジャケットを1着新調した上で、近江八幡のホテルに向かう。

 

最初、向こうは東京から我が町八日市まで来ると言ってたのだが、うちの駅前にゆったり取材を受けられるような洒落た店なんかないぞとS女史を通じて相手方に伝えてもらい、どのみち我が町に来るためには無茶苦茶接続が悪くて区間当たり日本最高水準の料金体系を持つ私鉄に乗らざるを得ないため、どうせなら国鉄の駅で待ち合わせた方が帰るにも便利だろうと提案して、結局、八幡駅で会うことになったのだ。実際のところ、駅の近辺は知り合いの出没率が高いので避けた部分も大きいが。

 

ホテルに到着したのは、待ち合わせの約束時間から5分ばかり過ぎていたが、まあ僕にしてはよく間に合った方だ。ラウンジに入って周りを見回す。その直前、Kさんという取材者本人から携帯に届いたメールには、もう一人連れて二人で行くと書かれてあったので、僕は男女の二人連れを探した。つまりインタビュアーは若い女性で、もう一人はカメラマン、それもバランスからいって、多分中年以降、40代前後の男だろうと、勝手に頭の中で絵を描いていたのだ。

 

午後のホテルのラウンジには、客がほとんどいない。てか、客は一組だけしかいなかった。その一組の客が、僕の姿を見て立ち上がった。

 

「あ、どうも。うじ先生ですか?」

 

はい……あ、じゃあ、もしかしてそちらが?

 

「はじめまして。××社のKです。それと、こちらが今回の企画のもう一人の担当になるIです」「Iです、よろしくお願いします」 あ、こ、こちらこそ、よろしく……

 

と言って、立ち上がった2人と僕は名刺交換を始めたのだが、2人とも完璧なおっさんだった。もちろん僕もおっさんなので、おっさんがおっさんを評しておっさん呼ばわりしているわけだが、それだけでもう、ラウンジのその一角が異様なおっさん濃度の高まりを見せたことは想像に難くない。

 

小一時間で終わると言われていた取材は、結局1時間半ほどかかり、その間、僕は何を喋っていたのかあまり覚えておらず、どっちにしろ、どうせたいした話はしていない。せっかく、久々に東京の匂いをさせた若くて可愛いお姉ちゃんに会えるかと思ってきたのに、なんか、あと2~3年で定年だろうなという感じのおっさん2人かよぉ…などと、心の中ではぶつぶつ呟いていたせいだろうか。

 

締めに、これから医師になる人にはどんな医師であることを望みますか、なんて聞かれたが(彼らの企画は日経メディカル系の、主に医学生や若い医師を対象にした会員制ウェブマガジンなんだそうだ)、そんなこと偉そうに俺がどうこう言えるわけないじゃん。

 

こっちもそんな答え、何にも用意してこなかったからあたふたと、いえいえ、それはもう、普通に自分も指を切ったら、あっ、痛いとか思ってほしいし、同じように指を切った患者さんを見たら、あっ、痛そうだな、なんて思えるお医者さんであってくれれば嬉しいす、なんて、その場で思いついた決めにも何にもならないコメントを吐いて、終わってしまった。

 

彼らはその足でまた、国鉄で米原から新幹線に乗り、東京にとんぼ返りするそうだが、考えてみたら彼らのどちらも、カメラを持っていない。念のために聞いてみたら、

 

「あ、著者のプロフは載せますが、写真は嫌がる人が多いんで、載せないことになったんです」

 

こんなことなら、眠気を押してわざわざ午前中に散髪なんかしてくるんじゃなかった。俺の睡眠時間、かやせ。(「返せ」の近江弁)

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