交差点

我が家の駐車場を出て、住宅街のやや細目の道路をものの4~50メートルもいけば、すぐに駅前からまっすぐ伸びた我が町のメインストリートにぶつかる。

 

そこはT字路の信号になっていて、右の角は小さな病院、左の角はこの春までわりと立派な家が建っていた。そこには年嵩の父親と息子が暮らしていたそうだが、5月にその息子が焼身自殺して、家はほぼ全焼し、いまは取り壊されてすっかり更地になっている。

 

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琵琶湖畔にて海老を見る

過日。平地からだと車で小一時間近くかかる山奥にある、最近お気に入りのタイ料理屋へ昼飯を食べに行こうと思い立って出かける準備をしていたら、3ヶ月近く前に買っていたチケットの公演日だったことを妻が思い出す。

 

滋賀に海老蔵が来るという公演情報があって、僕がそれはぜひ見たいと言い出し、妻が生協の予約を通じて手に入れたものだったのだ。 あのまま出かけていたら2人で2万近くしたチケットがパアになるとこだった……危なかった

 

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初取材

過日、担当S女史より「なんか日経メディカルの人がうじさんに会いたいと言ってきてるんですけどぉ」と電話あり。

 

僕は最初それを日系のメディカル人という団体が何か僕に文句を言ってきたのかと聞き間違えて身構えたのだが、さらに聞けば僕もよくパクら…(×もといっ!)参考にさせていただいてる医療系ウェブマガジンのことだというので、やっぱり何かネタを参考にしたのがバレてしまったかとビビりかけたところ「いえ、なんか今度医療漫画の特集をやるので、現在連載中の作品を片っ端から取材してるそうですよぉ」と、よく口内頬肉の発達した口特有の発音で答える。

 

だったらそんなの漫画家さんに相手してもらってくれよぉといったんは断ったのだが、敵もさるもの「(作画の)K先生は、うじさんにとおっしゃってるんですよ~。それに、作家インタビューって、わりと若くてみばもよさげな新人女性編集者あたりの定番お仕事だからぁ……」

 

仕方ない。受けよう。

 

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彼らは何に「ふるえ」たのか!?

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先週の金曜は、多分国鉄の電車で降りるのは初めてかとも思うのだが、県内の石山という駅に行ってきた。

 

なんでそんなとこへいきなり行ったかというと、例のSEALSという団体の主催によるデモが、ついにここ滋賀県でも行われるというニュースを知り、だったら話のタネにぜひぜひ見に行こうと、その動機のために珍しく、この数年来ずっと〆切より遅れ続けている仕事を1日だけ早く仕上げ(それでも本来の〆切より2週遅れ())、電車に飛び乗ったからだ。

 

ちなみに、車で出かけなかったのは、もしかしたらデモが終わった後に、駅の近辺にうまそうな店でも見つけたら、飲んで帰ってくることになるかもしれないという可能性を考慮したためでもある()

 

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本を捨てる

少し、本気で部屋を整理しないことには、どうにもならなくなってきた。

 

もはや僕の仕事部屋のドアを開けると、パソコンのあるデスクまでの通路が日ごとに細くなっていくのが自分でも認識できるようになってきたのである。

 

それは床に積み上げた本やら雑誌やらの山が、両側から徐々にさらさら、さらさらと崩れて腐海の如く、人の通る道を浸食していくゆえであり、以前はそれでも確か1メートルくらいの幅は見えていたはずの床が、いまはもう50センチ幅を切りそうな勢いになっている。

 

僕なぞは、これも腐海のほとりに住む者の定めよと呟くのだが、そういう風流を一切解しない妻は、ドアを開けるたび「私が完全に不機嫌にならないうちに、このゴミ部屋を何とかしてよね!」と、まるで市役所から来てゴミ屋敷の住人をなじる役人のように、もう十年くらい前から言い続けている。確かにね。考えてみたらこの部屋、もとは8畳くらいの全面フローリング床だった。

 

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今日の予定

昨夜は、今日(水曜)が久々に平日休みだから夜更かしOKという妻を連れて、これまたずいぶん久しぶりに二人で飲みに出かける。

 

先週一回フラれてるツキウサは、この夜もなぜかカウンターに人が溜まっていて、ゆっくり落ち着いて飲めそうな雰囲気ではなかったのでパス。僕は何より空いていてうまいものを出す店が好きなのだが、そのせいかどうか、僕の気に入った店ってわりとよく潰れる

 

気に入りのツキウサに入れなかったので、割と最近出来たイタリアンなバーに行く。ここが案外当たりで、料理もけっこううまく、酒もワインの種類が豊富である。というわけでここで2時間ほど過ごし、ここを出てから駅前に向かって、知り合いのやってるカウンターバーで〆の一杯を飲んで帰る。昨夜の客は僕と妻の二人だけだったらしい。考えてみれば水商売というのも、なかなかしんどい。

 

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今日は昨夜飲んだ酒の性格が良かったせいか、比較的すっきりした目覚めではあるものの、帰りが遅かったのでやや眠気が勝っている。

 

本当はいま京都でやってるルーブル美術館展を観に行きたくて、今日は昼前から動こうと妻には言っていたのだが、ちょっといまの体調だとどうなるかわからない。ま、こういうときに次の仕事を進めておけばいいのだけれど、人間、なかなか向上心だけは持てないものである。

そろそろ一周忌

母がいなくなってから、もうすぐ1年が経つ。

 

ということは、1年前のいまごろは、母はまだこの世界にいたのだ。そんなことをこの1年、ときどき考えていた気がする。

 

夏には夏の、秋には秋の景色の中でふと足を止め、1年前のいまごろは、まだ母がいたという事実を、たいていはかすかに苦い胃液がこみ上げてくる感触とともに、思い返している。

 

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新年始動

ちょっと一息ついて年明けを迎えよう……と思っていたら、もう1月10日だった。

 

明後日には小学校の同窓会。いくら何でも年明けには仕事も片づけてもう少しゆっくりしてられると思っていたら案の定……こんなことをここ5年ばかり繰り返している。5年前に済ましておけば、僕はもう5年、人生の時間を無駄にしなくて済んだのかもしれないが、いまさら言っても仕方がない。いまできることをこつこつとやり続けるのみ。これでもまだ僕の仕事を待ってくれている人がいるというのは、字義通り、有り難きことなのだ。

 

そんなわけで正月は例年の如く、近所の散歩にさえ出ずにひたすら家の中で過ごす。事情はいまもそれほど変わらず。テレビも年末年始はとにかくつまらないので、ほとんど見ていない。紅白でサザンが何かやったらしいが、そういうことも一切知らない。

 

今年は、僕個人のことからさらには僕個人も含むもっと大きな状況のことまで、いろいろ正念場な年になりそうである。ま、いきなりいろんなことを覚悟する必要まではまだないかもしれないけど、いつでも何かを覚悟できる準備あるいは練習のようなことは、いまからしておいたっていいかもしれない。そんなことを考えながら新年を迎える。

 

これからしばらく、もしかしたら死ぬまで、僕はいままでのように軽い感じでたとえば誰か他人に、みなさま良い年を、なんて言う気が失せてしまった。

今年も一人、逝く夏に思う

昨日の朝、八幡を6時50分頃の電車で、妻は島根の実家に向かった。

 

仕事の進まない僕は例によってこの夏もお留守番。まあ、男にとって妻の実家ほど落ち着かない場所もないので、仕事が遅れているのはいい口実なんだけど、もう8月が終わろうとしていることに気づいてしまえば、いい口実だなどとのんきなことを言っていられる場合ではまったくなくなってる。もっと焦れよ。

 

昨夜の8時頃から十時間あまり、このリビングで座卓にほとんど座りっぱなし。二階の仕事部屋には、ちゃんと椅子と机とデスクトップが置かれているのだが、昔『呪怨』を見て以来、一人でいるときは夜中にあまり二階に上りたくなくなった。ので、座卓にノートパソコンを置いてもっぱらこっちの方で仕事している。

 

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最近の対人より・・・

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