この一ヶ月ほど前から、どうやら我が家の床下にイタチが住みついたらしくて困っている。
きっかけは例によってお隣のHさんだが、一と月ほど前のある夜、突然、壁一つ挟んだだけのHさん宅の方から、ドタドタドタッ、バタンッ、ドカッ、という何やら大騒ぎな音が聞こえてきた。リビングで僕と妻は確か一緒にテレビでも見ていたと思うのだが、なにしろ夜の10時くらいのことである。僕と妻は何事かと思わず顔を見合わせたものだ。
最初は動物学上、僕の妻と同じく慌てもの科おっちょこちょい目に属するM子さんが、階段から足でも踏み外したのかと思ったのだが、それにしてはその後も、ドタンバタンと何やら激しく壁を叩く音がする。そういえば、と僕は数ヶ月前この日記でも書いた、M子さんが旦那に殺される夢を見たことを思い出し、すわ、ついにあのいつ見ても仏のような微笑を絶やさぬ旦那が本性現わしたかと、とりあえず玄関から外へ飛び出したのだが、そうしたらすでに隣のHさんご夫婦も外に出ていて暗闇の中、M子さんが建物の方を指さして声をかけてきた。
「イタチですよ、イタチ!」
は? 僕は思わずきょとんとした。ごめん。順番に説明してもらわんと意味わかんない。
「あ、いまね、そこにイタチがいたんです。だから追い出そうと思って、旦那が壁を叩いて」
イタチ? イタチがあんたらの家の中にいたの?
「そうじゃなくて、ちょうどうちとうじさんとこの壁の間を走ってたみたいだから、旦那が叩いて追い出そうと」
まずその話を一番最初にしてくれよ。俺、てっきしお宅の旦那がいきなりDVでも始めたのかと思ったじゃないか。
「あっ。うちは大丈夫っす。仲いいっす」
別に聞いてねーよ。(
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